このブログは、株式会社トミーウォーカーの運営するPBW"Silver Rain"のファンサイトの隅っこに位置づけられるようなそんな感じです。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
昔話をしよう。
初めに言っておくが、あくまで私の記憶と憶測に基づいた話だ。 【真実】がそこにあるかは、それぞれが判断すべき事だ。 理解してもらえたかな? では、始めようか。そこの椅子にでも腰掛けて、楽にして聴いてくれ。 とりあえず、事実を整理しよう。 我が家は教会だ。表向きも、裏向きも――只の教会だ。 先祖からの付き合いかどうかは知らないが、神井家とも親交が深い。 神井家は……私も詳しくは知らないが、どうもどこかの魔物ハンターの家系の分家だとかなんとか。 どこの伝奇ファンタジーだ、と二人笑い合っていた事もある。 誰とだって? それは、勿論。上人君の父親――神井家の主だ。 歳も離れておらず、家も近所。 娘と上人君が幼馴染なのと同様、私と彼も幼馴染のようなものだった。 さて、いのりが中学の時に巻き込まれた事件の話を一応しておこう。 ……ま、色々あったんだが、とにかく要点だけ抜き出す。 その事件が元で娘は蟲憑きになった。蟲に食い殺されるかと思ったが、皮肉な事に才能はあったらしい。 それと同じ頃。上人君が能力を見出され、本家に引き取られた。 引き取られたというか、半ば拉致だ。 息子を失った神井家は、崩壊した。 何があったのかは知らない。怪しい新興宗教の類に手を出したとか、黒魔術がどうとか……そこに至るまでの原因が多過ぎて、私には分からない。 何度も説得しようとしたが、断固とした拒絶が帰ってきた。 そして、彼はゴースト化した。 私は教会に申し出た。 「彼の魂を救わせてくれ」と。私の拳で。 拒絶の言葉が返ってきた。私は理由を聞いた。 【その家は彼らの管轄だ。我々は手出しが出来ない】 「彼ら」。神井家の本家の事だろう。 私は聞いた。誰が、ゴーストを消すのか。 【――それは、】 答えを聞いた瞬間、私は教会本部を飛び出した。 拳は輝き、唸りを上げた。 本部付きの能力者が立ち塞がる中、殴り、蹴り、吹き飛ばし。彼の元へ急いだ。 炎の鞭が片手を捉えた。 もう片手で拳を叩き込んだ。 脳に直接響き渡る賛美歌が、眠りに誘った。 顔に拳を叩き込んだ。眠ってたまるか。 弾丸が、鞭が、炎が、水が、雷が、蟲が、剣が、音が――襲った。 そこまでが限界だった。 全ては終わった。 上人君はハンターとしての一歩を踏み出した。 そして私は、ハンターとしての人生を終えた。 友人の一人も救えない拳に意味なんて無い。 神の拳は、沈黙したままだ。 /////////////////////////////////////// という事で、私は今、名実ともに何の変哲も無い神父という訳だ。 分かって貰えただろうか? PR |
カレンダー
プロフィール
HN:
神成 いのり
参照:
アイコン画像に対する権利表示です。
この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する 『シルバーレイン』の世界観を元に、 株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。 イラストの使用権は作品を発注したお客様に、 著作権はかりんに、 全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
リンク
ブログ内検索
アクセス解析
|