私が水着を着ない理由

「学園祭のおしらせ　銀誓館学園生徒会」

世間は梅雨入りし、じめじめとした日々が続く頃。いかがお過ごしでしょうか。
生徒の皆様、学園祭の季節がやってまいりました。
今年も生徒会では様々な催しを企画しております。皆様のご協力、よろしくお願いします。

「水着コンテスト」エントリー受付は既に始まっています。
学園の美男美女の皆様、ご参加お待ちしています！
詳細は美術室の受付まで。

――銀誓館学園　生徒会

「だってよー。アンタら、出んなら勝手にな。あーあ、若いっていいねェ」

帰りのＳＨＲ。
担任のボヤきと共に配られたプリントには、上のような事が書いてあった。
水着コンテスト。


み　ず　ぎ　。


ＷＡＲＮＩＮＧ！ＷＡＲＮＩＮＧ！ＷＡＲＮＩＮＧ！
「アネゴ！やべえっす！」
「姐さん！今すぐ対策をっ！」

軽いめまいと共に、耳元で激しく鳴り響く蟲の知らせ（ボイス付き）。
私はＳＨＲの終了と共に、携帯電話を取り出すと実家に電話した。

とるるるるる。

とるるるるる。

がちゃっ。



「お、いのり。丁度良かった、今連絡しようと思ってたんだが、水着はセパレートとワンピースどっちがい――」

「ぜぇーったい出ませんからねっ！」

流れるように電源オフ。
間一髪の危機を乗り切った私は、満面の笑みを浮かべつつ結社へ向かうのだった。

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絶叫と共に切れた電話。
顎の無精髭をいじりつつ、神父は溜息をついた。

「流石にハロウィンの手は通じないか。別の策を考えないと……ふーむ」