二人の決着の日、その夜、自室にて

けんかした。

上人様と、口論をした。


言いたい事は分かる。

それが正しいことも、分かる。

でも、嫌だ。

そんな不条理な世界は嫌だ。

非日常が日常だなんて嫌だ。認めない。

私は――私は、昔のように、当たり前の生活が、何も無い日常が送りたくて、その為に頑張っているのに。



私は服も着替えずにベッドに倒れこむと、そのまま目を瞑った。

忘れてしまいたい。けんかした事も。あの言葉も。

【僕たちは、そういう世界に居るんだよ】

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「……のりちゃん。いのり、ちゃん」

「上人……様……？」

「今までありがとう、いのりちゃん」

「上人、様？」

「本当に。今まで、ありがとう」

「……私、貴方の傍に居られるでしょうか。これからも、傍に居て、いいのでしょうか」

「いのりちゃん」

「もう十分だよ」

「もう、休んでいいんだよ」

「さよなら　いのりちゃん」

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悪夢の始まり。

日常の終わり。